休暇中

一番忙しい時期に休ませてもらっております。
契約時にそれでもいいよというてはりましたので。へへ。
気温24度。快適っす。30度で暑いと感じるのはとてもゼイタク。

明日には帰らねばなりません。
月末までまた忙しい日々。

図書館で、吉田修一パークライフ」を今更ながら読みました。
スタバの女がとても面白かった。今までなんで読んでなかったのだろう。たぶん「パークライフ」が出た頃は、いろんな作家の本を手当たり次第読んでいて、なおかつ、大学院に行きたかった頃なんで、とてもとても忙しかったのです。今はそないに忙しくないし、院受験も諦めてしまったので、キラクに読めます。そのうちコンプリート予定。


長嶋有のブームがまた自分内に再来していて。
デビュー作が絶賛の割りにピンと来なかったのに、
とにかくそのほかの作品が全て好きで、特に何度も書くけど
ジャージの二人」はたまらんのです。
そんな長嶋有ブルボン小林という名前でコラムを書いているだけあって
「いろんな気持ちが本当の気持ち」というエッセイ集も非常に面白い。
しかしこの面白さって、なんやろ「パークライフ」の面白さにもビミョウに通じるところがあり、つまり、瑣末なんですね。あ、そうそう、自分もそう思うよ、とか、そう感じるよ、あるいはそういう体験あるよ、というとても微細な部分での共感が、あるのです。

自分はもともと、全てにおいて細かい仕事が好きな人間でありまして。
自分自身は緻密でもなんでもないんですが、細やかな気遣いができる人が好きで、繊細な刺繍が好きで、小さな花が好きで、ミニマムな音楽や、ちょこっとした庭だとか、とにかく「神は細部に宿る」を信じてやまない人間であり。それは自分自身が大柄で、おおさっぱなのでないものねだりもはなはだしい、自分補完計画という意味合いでしょうが、とにかく大きな画用紙にダイナミックに書きなぐられた世界はとんと興味がないのでした。

緻密さ、精密さ、繊細さ、細かさ、ささいなコダワリ。
そんなものは、おそらく、世界の破滅、あるいは災害時には一番邪魔なものでありましょう。戦中、戦後の大変な時期にも、ヒコクミン、あるいはヤクタタズとして、忌み嫌われるようなものだし、そうでなくても、昨今の諸物価高騰の折、花を愛でるより、野菜を作るわ、なんて人のほうがおそらく増えているこのご時勢。

自分のような生活になんら役に立たない趣味嗜好は今後滅んでいくに違いないのです。

濃厚なグリーンに見え隠れするフシグロセンノウのオレンジや、カワラナデシコの濃いピンク。ナワシロイチゴのジューシイな赤い実や、ヤマホタルブクロの愛らしい姿を眺めながら、本を抱えて歩くのは最高に自分にとっては気持ちいいことなのですが、滅びる前にこの繊細かつ細部に満ち溢れたワールドを堪能したいなあと。

あああさってからまた炎天下のお仕事が待っています。
それはそれで楽しいのですけどね♪