クレームにヤられないスキルをだらだらと正月らしく書いてみる

モンスターペアレントや、クレーマーについての本はたくさん出ているのですが。自分は実はあまり読んでいません。


なんとなれば。激怒してる人を全てクレーマーと認定して、処理に走ろうとするとドツボにはまることが多いからです。
加えて、怖くなって処理を誤ったり、精神的に滅入ってしまうこともあります。前にも書きましたが、自分の経験から言えば、意味不明でわけのわからんめちゃくちゃなほんまのクレーマーさんは0.01%くらいです。いや、もっと少ないかもしれません。


仕事の話をしていると、よう、そんなハアドなクレーム聞けるねえと言われます。まあタイヘンなのはタイヘンなんですが。

怒鳴る方もしんどいと思います。加えて怒鳴らせるようなことをこちらがしでかしている場合もママあります。

謝ると補償問題になるような話なら、カンタンには謝れないのかもしれませんが、その場合も具体的に「○○についてはご迷惑をおかけいたしました。もうしわけございませんでした。」の一言はいるでしょう。感情を納めてもらうのは大事です。納めてもらうためには、相手の言い分を黙ってきく。に限ります。状況説明をしてもらい、言いたいことを全て出し切ってもらう。そこからやっと交渉になるという話で。

最初の段階ですっとばすと聴いてもらえないのですね。

こちらが必要な情報を得るために質問する場合も、なぜこの質問をするかを説明しないと、不審がられたり、余計火に油を注ぐ場合があるので要注意です。これはもう慣れしかないのかも。電話だと顔が見えないから、切り出すタイミングとかが難しいんですよね。

自分は対面でクレーム処理をすることも多いし、実はこちらが一番慣れているのですが。そのとき気をつけているのは、「自分に怒られていると思わない」ことです。

「個人としての自分」にこの人は腹を立てているのではない。「○○店の一員としての自分」にムカついている、あるいは、「○○店そのもの」に腹を立てていると考えます。なんとなれば、目の前の怒っている人は自分を知らないからです。自分の知り合いでもなんでもないわけです。自分が不用意な言動を取ってしまったがためにムカついた可能性もあるのですが、その場合も「店員としての言動」についてムカついているのであり。

ということは、自分はどうすべきかといえば、「店員としての自分」に求められる行動を迅速に取るということになります。

ワタシだってがんばってるのに、怒るなよなあ、ちょっとは店の状況見てよとか思う人は接客業には向いてないです。だって中の事情なんてお客様は知らなくてあたりまえだし。

ただ。様々な要望を物理的にかなえるのは無理な場合だってあります。
そういうときこそ、状況をご理解していただく必要があり。そのためには、まずこちらに、「お待たせして申し訳ございません」「せっかく来ていただいたのに、混雑してすいません」という気持ちがあるのが大前提です。

うちの店になんらかの期待を抱いて来店してもらった、そして、そのあといろんなトラブルがあって裏切られたような気持ちになっている、そこをどれだけ理解できるか。というのがクレーム対応のキモだと自分などは思っています。理解できたところで、100%その人が望む対応ができるわけでもないのかもしれませんが、できるかぎり、気持ちに沿って、行動する。それが物理的にどうしても出来ない場合は、早めに説明し、ご理解をいただけるよう努力する。そうなることで、ムダなバトルは減ります。

いかに「プロ」に徹するか、ということなのだと思います。

自分もそりゃ感情の部分でメゲたりすることはあるのですが。
その前に苦情をいうにはかならず理由があることをまず理解。
こちらの正当性を主張するのは、まずお客様の話を十分に聴いてから。
十分に聞けなかったために、こじれるケースを自分も経験し、また他の人がこじれていくのも見てきました。

ラストに。これはバイト時代、自分なども若気の至りで思ったんですが。
たかがこんな時給でこんなクレーム言われてやってられるかボケ。と思っている人がいたら。
とっととやめたほうがいいです。
向いてない。お店にとってもそんなバイトは迷惑です。
正直、このハードさで、この時給はないなあと思うこともなきにしもあらず。でもそれは、会社が決めることで、自分が決めることではなく。イヤならやめるしかないんです。

仕事というのは時給換算できるものではない、という部分を多分に含んでおり、自分の周囲を見渡してみても、好きなことで稼げているとか、常にいい仕事をしているとかいう連中は、みんな「採算度外視」で働いているヤツらばかりです。24時間闘えとは思わないけど。でも、いい仕事をしたいなら、そこで目一杯がんばるしかないです。そうすることで道は開けるハズ。

とまあ信じて。
お客様の要望に100%添えない辛いクレームを明日処理するんやろうなあと予測しつつも。

逃げちゃダメだ。