日本で一番ある意味怖いマンガ雑誌「ご近所の悪いうわさ」

夏といえば幽霊心霊談であるが。
残念ながら、ほとんどの心霊話には動じない自分である。

なんとなればそんなものより圧倒的に怖い雑誌を知っているからだ。それはこいつである。
http://www.ohzora.co.jp/magazine/category/?key=neighborhood



タイトル画を見て欲しい。メジャー女性マンガ誌では永遠に表紙にならない見事なまでのステレオタイプな「ブス」が描かれている。
タイトルの文字もえげつないインパクトだ。
だいたい、通常の女性向けマンガ雑誌に「ブス」はタイトルになりえない。それがもう「ブス」「ブス」「ブス」のオンパレード。
性格ブス、老化ブス。怖すぎる。


これは恐ろしいアンチテーゼである。なんでもかんでも○○美人とつければいいだろうという男性側マーケティングを破壊するラジカルフェミニズム的鉄槌である。(適当に書いてますのでつっこまないでね、遥○子さんw)

そもそも雑誌のタイトルが「ご近所の悪いうわさ」
ご近所って・・・狭!



パンクである。


いまや死語になりつつある「世間様」を堂々と前提にかかげ、「そんなブスなあなた、ご近所でうわさされてるわよお、モチ悪い方ね?」と堂々と言い切るのではなく。



むしろそういうイライザ系女子の後ろのほうから「そうよ、そうよ、そうなのよ」と意地悪な表情を必死で作るのだが、顔にあまりある肉のせいで、なぜかユーモラスな豚が顔をいがめている風にしか見えない女子のごとく。



不細工で地味な女はいないものとされている、と書いたのは誰だったか。小説家でもハイパーリアリティでもって、「並」あるいは「並以下」の容姿で、決して主人公になりえない境遇の女性を描ききったのは自分の知る限り、桐野夏生一人である。



そうこの雑誌はマンガ界の桐野夏生だ。ただし、彼女ほど考えさせるものは何も持たない。ただただインパクトのみがそこにある。
この夏、心霊系にない破壊力を、ぜひこの「ご近所の悪いうわさ」から 感じ取って欲しい。 読めば、空気化したご近所が、お手軽にホラーワールドに変貌すること間違いないのだから。