全部見てしまう人

夏は怪談に限る。
でも自分はあまりゾっとしないタイプで困る。

大好きな京極夏彦の「幽談」を購入してみた。

幽談 (幽BOOKS)

幽談 (幽BOOKS)

「幽」に連載されていたものと、書き下ろしが二本。

この人はオノマトペが「イヤ」なのだが、この「イヤ」というのは、絶妙な間合いでなんともキモチワルイので、ウマイと言い換えてもいいんだけど、ここではほんまに「イヤ」と表現しておきたい。もちろん、褒め言葉である。

眩暈のような気持ちになるいくつかの短編が秀逸。
などとエラソウに書いてみる。



小学生の頃。
真夏の午後2時、真っ白な日差しの中、知らない住宅街を延々歩いていたことがある。友人の家に行きたかったのだ。
歩いても歩いても、目的の家にはたどり着かない。
心細くて、暑くて。ガマンして歩いていると、赤いものが地面に
落ちた。鼻血だった。

そんな感覚。



夏が終わるまでに是非お読みください。