38年前に読んだ本の数々

少年少女世界の名作全集を小学校入学とともに与えられた自分は、運動が苦手で、外遊びが嫌い、おまけに友達も少なかったことで、本にのめりこんでいった。
最初に読んだのは「小公子」だった。読みおえたとき、部屋には西日が差し込んでいたのを今でも覚えている。

この名作全集には、松本零士牧美也子高橋真琴などの著名人多数が挿絵を描いており。訳、解説も丁寧だったと思う。38年も経っているのに、未だに覚えているんだから、かなり楽しかったに違いない。

ストーリーもさることながら、当時の日本には入ってこなかったさまざまな珍しい果物や食べ物、植物の名前やイラストが自分には萌えポイントだった。「若草物語」の「ライムの塩漬け」、「ソフィー物語」の「シトロンの砂糖づけ」「赤毛のアン」の「サンザシ」ネズナイカの「カモミール」(これは不明・おそらくネズナイカのはず)「カルガンチュア物語」の「マルメロの砂糖漬け」「森はいきている」の「マツユキソウ」・・・・。

余談やけど、「ニコ動」で「ソフィー物語」の動画を見つけたときは感動した。でも、執事設定の朗読だったので、音声はいらないから、高橋真琴のイラストだけ頂戴という感じだったねw


このシリーズ以外では「きいちごのおうさま」が自分の野生な果物好きの原点になっている。

そういや、当時、これら以外の愛読書といえば、「家庭でできる洋菓子」と、「フランス刺繍」の本であったので今でもコアな部分での好きなものってのは案外変わってないんだなあ。としみじみ。

この洋菓子の本ってのがまたキュートなピンクの装丁で、スミレの花の砂糖漬けだのミモザだのを使ってフレンチスタイルだった。
フランス刺繍の本はおそらく昭和30年代後半くらいのもので、クラシカルな感じの花の刺繍を紹介しており。おそらく実用書だったのだが、自分はあこがれのヨーロッパの香りがすると思い込んで、眺めていたというわけ。

自分の中にある少女趣味チックなもんが、70年代後半のりぼん「乙女チック
マンガ」で熟成され、同時期にポプリにもはまり、80年代にピンクハウスや渋谷の雑貨屋さん(マリオネットとかね)オリーブ的世界にはまりこみ。
未だに細々だけど、手作業もん、刺繍モン、花モチーフ、あるいはフレグランスマニアなところへと発展していったのだなあと。


人は早々変わることはないのですな。
小さい頃から、実生活のこまごましたリアルよりも、空想の世界で遊ぶことが好きだった自分は未だに妄想族やしね。